トップページ>特集>会長直伝!未塗装キットの作り方!

1、まえがき

えー、この記事を見る方の十中八九の方は私を見知っているとは思いますが、はじめましての方ははじめまして

見知ってる人にはやらないか

この同好会の会長を務めさせていただいておりますMc63901という、変態紳士ですwww
このサイトの管理人をしてくれているkitaguni583君の提案で、「毎月特集で自分の得意分野を特集しよう!」ということになり、会長の私がトップバッターで鉄道模型の作り方を書く、ということになりました。

まずいくつか前置きを。
きっとこのほとんどはどの記事にも該当することでしょう。
・何分『ド』素人の書く記事ですので至らないところなどは、「はいはいワロス」とスルーしてあげてください。

・人によっては細かい個所で違うやり方をしている方もいらっしゃると思います、ですがそこをあーだこーだ云うのはやめてください。

・誤字脱字や質問などの問い合わせがございましたらサイトの掲示板内の記事問い合わせスレまで

・この模型制作の記事は模型製作全般に必要な最低限の道具類を持っているという前提で作っています。
 「この道具は俺の手元にはないぞ!」というような苦情は一切受け付けませんのであしからず

ではまず今回作る車輛の紹介から



今回作るのはオシ16という旧型客車のひとつで、実車は急行列車の車内の軽食をまかなう為のビュッフェ車として旧型客車の台車・台ワクを流用、車体を新製して作られました
中央に客室を二分するように調理室があり(もちろん一般の乗客の通りぬけは可能)、それが今までに作られた他のマシ35やオシ17の様な特急列車用のきちんとした食堂車の客車にはない斬新な構造でした
しかし、その後に製造された急行列車用のビュッフェ車はサハシ153、サハシ455と半室のビュッフェ車が多く、オシ16とは全く違う構造になってしまい、後に受け継がれることはありませんでした。
列車の高速化、コスト削減が進んでいる中ではこのような車輛が登場することは、残念ながら2度とないかと思われます
床下には調理器具の電源をまかなうためにディーゼル発電機が2基搭載されており(ほかの食堂車や寝台車には一基のみ。)。それが独特の印象となっています
戦前製の旧型客車の台車・台ワクを流用して製造しているため、台車は0番台がTR47、2000番台がTR23を搭載しています(電気暖房搭載によって自重増加を避けるためと思われます)
今回はGREENMAXさん(以下GM表記)の同車の未塗装キットを作ろうと思います

では車両自体の解説はこれくらいにして、本題に進んでいきましょう。


2、キット製作



まずはキットの洗浄から。
キット自体にも『塗装前にあらかじめ成型部品を中性洗剤でよく洗って乾燥させてください』と書いてあります。
これはキットに部品を鋳造する際に部品が金型から外れやすいように離型剤という薬(ってか油みたいなものと思ってくれればいいです)が塗ってあり、塗装した際にこの離型剤が悪さをして塗料をはじいてしまい、塗料のノリが悪くなってしまうためです
「中性洗剤って何だよ!」って方、ご安心を。写真のように、食器洗い用の洗剤で洗ってくれても差し支えはないです。
もちろん、模型用にちゃんとしたものを持ってらっしゃる方はそれにこしたことはないでしょう
写真では洗剤をかけてるところしか撮っていませんが、部品一個一個が取れたり壊れたりしない程度の力加減(←何気ここ大事です)で指でこすって洗いましょう。
スポンジはまだしも、たわしなんかで洗ったら傷だらけになってしまうので論外です


蛇足ですが、洗剤はきっちりすすいで落としてくださいね
すすぎ終わったころにキットの表面を軽く指でこすって見ると、洗う前とは指ざわりが違うはずです



洗い終わったキットはしっかりと乾燥させましょう
接着剤や塗料は水を嫌う性質のものがほとんどのため、濡れたキットのまま作業を進めるとロクなことがないですw
本来は一晩(4〜5時間程度)放置して自然乾燥させるのですが、私は横着者のため写真のように、ペーパータオルではさんで15〜20分放置して乾燥させます
手っ取り早い方法ですがあまりお行儀のよい方法ではないので避けされるならなるべく避けましょう



残っている水滴をしらみつぶしに拭き取っていきます
モールドの凸凹の大きい場所は水がたまりやすいので特に留意して拭き取ります



いよいよ模型の組み立てっぽい段階に入りました
ニッパーのフラット(平らか)になっている方の刃を使って切り出します
まれにゲートが部品の一部の境界線が分かりにくくなっているパーツがあるので、誤ってパーツの一部を切断してしまわないように注意してください
また、アンテナなどの細かくデリケートな部品の場合はニッパーを使うと無理な力がかかって部品の破損の原因にもなりかねないので、カッターナイフやデザインナイフを使うことをお勧めします





ニッパーで切り出した際のほぼ必ずと言っていいほぼバリはできます
勿論バリを作ることなく上手く切り出せればそれに越したことはありませんが、逆にバリを作りたくなくて横着して無理やりニッパーでグリグリやると却って部品の方が傷ついてしまいひどいことになってしまうので、ニッパーで下手に深追いするのは止めましょう
バリの処理方法は二つあり、ひとつは写真aのようにやすりで削る方法。
もう一つは写真bのようにカッターナイフでそぎ落とす方法です
カッターナイフの扱いに慣れている方はカッターナイフを使った方がいいですが、不慣れな方はやすりで地道に削った方がいいでしょう。
どちらも深追いしすぎて、部品自体を削らないようにご注意をw

写真a

写真b



GM製の旧型客車の未塗装キットには、必ず妻面の向きがあり、写真のようにモールドで表記してあります
妻面の接着作業の際には誤って逆にしてしまわないように気をつけましょう
私はキット自体の接着には乾燥するのを待った後、出来たL 字同士を組み合わせて箱型の形にします(写真撮り忘れたorz)


写真のように片手で妻面と側面とをL字形に組んで固定した状態の所にセメントを流し込みます
セメントを含ませた筆の穂先をチョンと付ければ毛細現象で自然と接着面全体に伝わってくれるんですが、ここで接着剤をつけすぎるとグッチャグチャの惨状になってしまうので気をつけましょう
また、毛細現象が余計な所まで働き、指と部品とが触れている部分に流れ込んでしまわないよう気をつけましょう
セメントはキットの樹脂を溶かして接着する接着剤のなので、キットの表面を溶かしてキットも表面に指紋がベッチョリついてしまうことになります
ここまで来ると、いよいよ『キット』から『車輛』へと印象が変わります
ちなみに緑キャップの良さを挙げると
・速乾性がある
・プラスチック同士を溶かして接着する為、接着した部分の強度が高い
・白キャップのセメントと違い、開封後時間がたってもドロドロにならない
と云ったところでしょうか。
私はここ何年か緑キャップ一筋"ですが、それは正直云って人の好みによって違うので、お金に余裕のある方は白キャップの方も試してみるといいでしょう
両方とも200円程度で手に入るので1度試してみる価値はあります
白キャップには白キャップなりの良さがあります



GMキットの部品の中にオモリドメなるものが入っているのですが、ウエイトは鉄の塊なのでプラスチックの小さな部品のオモリドメは正直役に立ちません
ゴム系接着剤での接着を全力でお勧めします。
セメントで付けるのは強度的に不可です。



取説の図面にならって床下機器の接着をしていきます
大きめの部品は台ワクのモールドに触れてしまう物もあり、その場合は写真のように該当部分のモールドを削り落として接着します
くれぐれも横着して台ワクのモールドをすべて削り落してしまうようなアホな真似をしないように
接着する位置が全く分からなくなりますwwwww



GMの旧型客車のキットは床下パーツの余剰部品が大量に出ます
余ったパーツは写真のようにケースなどを買ってきて取っておくといいでしょう
工作を長く続けていると必ず役に立ちます。
部品をなくしてしまった時の予備とかww



続いてはベンチレーターの設置です
たいていの旧型客車のキットの場合は鉛筆で中心線を書いて、取説に書いてある通りの寸法を測りとって位置を決めて(ry・・・という途方もない作業なのですが、写真cを見てくれればわかるとおりオシ16にキットはベンチレーターが二つしかないため、この様に予めモールドの屋根の表面に目印がありましたw
なので、写真のように1.0mmドリルでモールド部分に穴をあけてキングスホビー製のガーランドベンチレーター(以下ガラベン)を設置、写真dのようになりました。

写真c

写真d



余談ですが。GMのキットには写真の一番右のベンチレーターしか封入されておらず、大変みすぼらしくなってしまいます
そこで、別売りの写真中央の別売りベンチレーターを買うことになります
ですが、GM製のベンチレーターには設置用の穴がないため、どうも苦手という方は写真左のキングスホビー製のものを買うといいでしょう
1.0mmの穴をあけて取り付けるとすっぽりハマってくれます



さらに後日気づいたことなのですが、写真のようにGM製にも足の着いたものがありました。
こちらは2.0mmの穴がぴったりとはまります



さて今度は台車の取り付けだ、と思った矢先にアクシデントが
取説には『0番台にはTR47を2000番台にはTR23を』と書いてあるのですが、私が用意した台車はこともあろうにどちらでもないTR50
・・・・・・やってしまったorz
とりあえず私に云い訳をさせてください
オシ16など10系客車のほとんどは、新製のため履いている台車がTR50なのです
そのため、このオシ16もノリでTR50かな、と私が浅はかな勘違いをしてしまったのです
旧型客車の台車・台ワクを流用したオシ16は古い台車だったのですね。
迂闊でしたorz



そんなこんなで最近休車状態にあったクハ55からTR23を拝借、連結器を密着連結器から自動連結機に取り換えてオシ16に履かせました
ちなみにこの記事が投稿されるころにはオシ16を作ってから軽く1か月が経過しているのですが、今だにクハ55は台車無しのまま家で留置されています
許しておくれクハ55(´;ω;`)



そんなこんなで台車も着きました
写真では台車部分が切れてしまっていますがorz



いよいよ塗装です
今回は屋根・床下がスプレーで、車体がエアブラシ、というかたちになりました。



塗装が終わった後部品同士を組み合わせます
私は屋根のマスキングが面倒なので、塗装後接着する派です



仮止めできちんと合うことが確認できたら、緑キャップセメントでしっかりと接着しましょう



ここまで来るといよいよ仕上げの段階です
まずは貫通幌の接着ですが、貫通幌はキットにデフォルトで入っている黒いものではなく、秋葉原のGMさんの直営店で打っているバルク品のグレーのものを買ってきてつけました
『旧型客車』の古臭いイメージが、幌の色ひとつで大分新しく見えてきます
云い忘れかけてましたが接着はゴム系接着剤で行います
ゴム系接着剤の扱いはもうちょっとあとで詳しく説明します



窓を表現する塩ビ製のセルを写真のように適当な長さに切ります
決してちゃらんぽらんという『適当』ではなく適したという意味の『適当』ですので注意してくださいw



窓セルを接着したい部分に写真のようにゴム系接着剤をつま楊枝などの先に適度にとがったもので適宜湿布します。
さっきから『適』の字が多く出ていますがなぜなんでしょうかw
窓セルには普通の透明なガラスのほか、トイレの窓を表現する曇りガラスや荷物室の保護棒がついた状態を表現する保護棒付きガラスがあり多種多様なものとなって居ます



窓セルの接着が終わると、写真のようになります



ここでゴム系接着剤について説明をば
ゴム系接着剤はかなり汎用性の高い接着剤で、木、樹脂、金属などその使用可能な用途はかなり広範囲に及びます
鉄道模型において車体そのものの組み立て以外のほとんどの接着の場面で活躍します(人によりますがセメントの扱いが苦手な方は車体の接着にもゴム系接着剤を使っている場合があります)
大抵の模型の本には「接着面に湿布する際はつま楊枝を使ってやりなさい」的なことが書いてありますが、そうするといちいち大量のつま楊枝が天命を全うしてしまうことになるので、私は割りばしを鉛筆削りで削って先をとがらせたものを使っています
つま楊枝と違って適度に太くてつかみやすく、先っぽがダメになってもまた削れば復活してくれるので耐久性も長くて便利です
ゴム系接着剤はある程度の量をどこかに出しておくと便利です
私は写真のように要らなくなったレシートを使っています
セメントにも当てはまることなのですが、有機溶剤などが入っているため、使用中は使用場所の換気をよくしてください。
中毒症状を起こしてラリってしまいます
また、有機溶剤は引火しやすいので火気にも十分注意を払ってください



ここで窓サッシの色さしです
10系客車は窓サッシがすべてアルミ製となっているので、銀色に色さしします
ここで再び割りばし君の出番となります
オシ16は写真で色を指している1か所(確かカウンターの所)しかアルミサッシに部分がないので、作業はとても早く終わりましたw
窓サッシの色さしには写真のタミヤ製エナメル系塗料をつかいました
車体の塗装に使ったGMカラーはラッカー系塗料のため、エナメル系の溶剤に侵されることはありません。
なのでミスってはみ出してしまった時にすぐエナメル系溶剤で拭きとれば何ともないので便利ですね





最後に台ワクを取り付けるモールドにゴム系接着剤を湿布、取り付けて、

完 ☆ 成 !

ちなみに本来台ワクは接着剤で固定するのはあまりよろしくなことなのですが、取ろうとすれば結構簡単にはぎとれるのでは私はそんなに気にしてませんw



3、あとがき




2時間程度あればあっさり書き上がるかと思ったら・・・4時間かかったぜwwwww

あぁ、疲れた、眠い、そして肩こって痛い。
私はいったいいくつだwww
(マジレスすると18になったばっかww)
もうね、製作途中に写真撮るのとかすっげぇ面倒だったw
写真撮ってるときなんか写真eみたいな状態だったもんwww
右手で部品支えて口でニッパー加えて左手でシャッター切るなんてwww

写真e

まぁ、えらい大変だったけど楽しかったからいいや。
またやるかって訊かれたらあんまり気乗りしないけど
でも、なんだかんだで人から頼まれたら私のことだからきっとやるんだろうなぁwwww

とにかく長々とした文章に最後までお付き合いくださり、誠に有難うございました
これにて私の記事は終わりますが、他のメンバーの記事もぜひお楽しみに
ではでは〜


200H年7月13日 朝5時近く Mc63901

P.S. 今回制作したオシ16ですが、ってゐを使用した動画の一番最後にちらっと出てますのでぜひご覧になってみてください。
動画はこちら



この文章はMc63901が書いたものをkitaguni583が加筆訂正し掲載したものです
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